節分に「恵方巻き」を食べるのも、年々浸透してきていますが、
関西出身ではない方には馴染みのない風習かもしれませんね。
恵方巻きと聞くと、大層立派なもののように思われるかもしれませんが、
簡単に言うと、太い巻き寿司のことなんです。
では、恵方巻きの正しい食べ方ってどうなのか、
そもそも、恵方巻きってなんなのか。
そんな、恵方巻きの食べ方や由来についてお伝えします。
☆ 恵方巻きとセブンイレブンと由来の関係
じつは、恵方巻き発祥の地は大阪なんです。
大阪は食い倒れの都市だから、納得ですよね。
なんでも、江戸時代末期に大阪の商人たちが商売繁盛や無病息災を
願い、節分の日に「幸運巻き寿司」を食べ始めたのが由来とか。
大正時代に大阪の花街で、節分のころ食べごろになる新香を海苔で巻き、
恵方の方角に向いて食べたのが由来とか……いろいろな説があります。
節分は立春の前日。旧暦では、新年は立春から始まりますから、
いわば節分は大晦日にあたります。
節分の行事としては、豆まきが有名ですよね。
新しい年を迎える前に、厄払いの願いをこめて豆をまきます。
節分に恵方巻きを食べるのも、縁起が良いとされているんですよ。
恵方巻きが、豆まきと肩を並べるほどにメジャーになったのは、
海苔業界や寿司業界、コンビニやスーパーなど流通業界の
涙ぐましい努力があったからです。
海苔業界と寿司業界が共同でポスターを作り、お寿司屋さんに貼って
「幸運巻き寿司」キャンペーンをしたり、
道頓堀で「巻き寿司の丸かぶり早食い競争」のイベントをしたり……。
なかでも一番功績があったのが、セブン-イレブンといえるでしょう。
それまで「丸かぶり寿司」とか「幸運巻き」などと呼ばれ、
大阪など関西で食べられていた巻き寿司を、広島を皮切りに
全国に広げていきました。
恵方巻きという名称は、1998年にセブン-イレブンが全国に販売網を
拡大するときに名づけられました。
「丸かぶり寿司」よりも、なんとなく上品な響きですね。
☆ 恵方巻きの具材の由来
恵方巻きの具材に何を使うか、正式な決まりはありませんが、
縁起の良い七福神にちなんで7種類の具材を使うのが一般的です。
福を巻き込む、というのがその由来です。
具材でよく使われるのが、カンピョウ、キュウリ、シイタケ、厚焼き卵、
ウナギ、桜でんぶ、高野豆腐、などです。
最近では魚介類だけを使った「海鮮巻き」なども人気があります。
☆ 恵方巻きの食べ方と方角 2015
恵方巻きには食べ方の作法があるんですよ。
食べるとき、どの方角を向くかが重要なんです。
恵方の方角に向くことがポイントです。
恵方とは歳徳神(としとくじん)という幸運を招く神様がいらっしゃる方角。
毎年、恵方は変わり、2015年は西南西の方角になります。
恵方へ向いたら、恵方巻きを1本丸ごと口にくわえます。
長いからといって、切ってはいけませんよ。
「縁を切らない」というのが、その由来です。
すぐに丸かぶりといきたいところですが、焦らないでくださいね。
目を閉じて、お願い事をしながら丸かぶりをしてください。
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いかがでしたか?
結局、恵方巻きって、商魂たくましい大阪商人たちの宣伝と、
セブン-イレブンの販売戦略によって広がっていった食品の一つ。
昔、チョコレートを売るために、チョコレート会社がバレンタインデーを
広めたことと似てなくもありません。
こう言ってしまうと、身も蓋もないですが。
皆さんも、がぶり!と試してみてくださいね!